
青森県八戸市は車社会の町で、車がないと日常生活に支障をきたすぐらいに、車は生活必需品です。でも、僕は免許がないので、田舎に帰るといつも誰かの車に載せてもらう事になります。情けない話である事は分かってはいるんですが、都会暮らしでは公共交通機関と自転車が便利すぎて車を買う気持ちには到底なれないし、そもそも駐車場代も税金も高いし、元々車自体に興味が無いので...そもそも買うつもりになれないのです、ハイ。
そんなこんなで、誰かの車に「ごめんね、ありがとうね」と言いながら載せてもらうのですが、車の窓越しに撮影する写真に妙な魅力がある事に気づいたのは、数年前のことです。
なんで、車からの写真には妙な魅力があるのだろう?
小さい頃から車社会の町で育つと、必然的に毎週のように車に乗って、車窓から街並みを眺めます。広い土地に商業地が散っている町なので、そもそも徒歩で買い物にいくことがありません。つまり、八戸の大半の人は、家やよく行く場所以外の街並みについては「歩きながら見た」よりも「車窓から見た」ほうのではないか? と推測されるわけです。同じ景色でも、歩きながら見るのと車から見るのでは、まったく異なります。僕は、子供の頃に車の中から見た八戸の街並みを無意識で思い出していて、それが魅力になっているのかもしれない...と、推測したんです。
小さい頃買い物に連れて行ってもらった思い出に触れる、車窓からの写真。歩いてみて初めて分かるディテールと雰囲気を掴みとる、歩きながらの写真。
写真撮影のコツとして、カメラや機材の選び方とか露出・絞りとかいう条件が普通挙げられますが、「車中か、徒歩か」という条件を考えてみると、面白いかも? と思います。「なんでこの写真、俺にとっては魅力的なんだろう?」って不思議に思ったときの答えの1つは、もしかすると「車から撮影したから」かもしれません。逆に、以前当サイトの写真を評して「八戸の逆輸入」と言ってくださった方がいらっしゃったんですが、八戸の方が当サイトの写真を見て「八戸って、こんな感じだっけ?」と思われた場合、もしかするとその写真が徒歩で撮影されたからかもしれません。
いずれにせよ、撮った時の僕の目線が写真には暗に写っていて、その時の目の位置からおおよそ僕が何を撮ろうとしているのかが分かります。それは、おそらく過去の僕か、現在の僕のどちらかです。
僕がカメラを構える時、少年の頃の僕もまたカメラを構えているのかも、しれません。
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