
僕が生まれてから、最も幼い頃の記憶は、幼稚園の頃。けっこうトラウマな事ばかり憶えていて、やれ粗相したとか、泣いちゃったとか、痛かったとか、そういう思い出が多いです。でも、例えば実家の庭に生えていたハコベの小さな白い花や、幼稚園に咲いていたタンポポのような美しい光景も、いくつか残っています。
小学校1年生の頃、僕は何度か登校拒否のようなことをしたことがあります。大した理由もなく学校に行きたくないと駄々をこねたり、仮病をしたり。2、3回やったような気がします。そんな登校拒否をする日の朝、7時半頃になると母親におもむろに嘘の不調を訴えるわけですが、その前...6時には起きていた僕は、近所を自転車で走り回って遊んでいました(本当、ヒドイ子供ですよね)。風を切って走る朝の街並みは白く澄んだ光に満ちていて、世界は間違いなく祝福されていると信じられるぐらい、さわやかな時間が流れていました。
上の写真は、蕪島に咲き乱れる菜の花です。その圧倒的な光景は、小さい頃の僕の内側から湧き出していたイノセントな生命力のようなものを感じさせます。精緻で美しく、命に満ちている、この世界。僕はこの時期の蕪島を訪れると、美しさや生命力に圧倒される一方で、ほんの少しの喪失感が僕の思い出が連なる曲線をよぎっていくのを感じます。
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