
海に下っていく途中、くるりと半円を描く八戸港に向かってせり出し広がる住宅地が道の向こうに広がる光景です。荒れ狂う海の恐ろしさを知らない人はいないけれど、それでも海に近づきたいと思う人々の想いが、街の形にも見事に表れているように見えます。
この日はマダラな雲が空を走っていて、陽の光が数百メートルぐらいの小さなスポットになって流れていく何やら予感めいた雰囲気。僕のそばは日が照って暑いぐらいだけど、道の彼方の住宅地は曇天の下に暗く沈み、家々も項垂れているよう。
起伏の多い町、晴れと曇りが入り乱れた天気。あたたかなシアワセと、その上を横切っていく不吉の予感。目を転じると、海。それはまるで、僕らだけが右往左往して、海だけが落ち着いている、という対比構造があるように思えてきて、ちょっとあきらめたように僕はかすかに笑ったような気がします。




