
日本で唯一人間が足を踏み込めるウミネコ繁殖地である蕪島では、そろそろウミネコの雛の孵化が始まります。生まれたばかりの雛は巣から動きませんから、何せ蕪島では人があるく道から1cmのところに巣があるので、ゆっくりと雛を観察することができます(当然手を出してはいけません、親を怒らせたら大変なことになりますし)。
上の写真の雛は少し成長して、自立して巣から数十センチ〜1メートルぐらいを歩き回ることができるまでになっています。つぶらな瞳とモコモコとした胴体に比べると妙に逞しくて生々しい足が、生まれたばかりなのに既に備わっているんですね。
こんな子が、警戒心もさほど無く(人間に慣れているのか、それとも子供ならではの純粋さなのか?)、じーっとアナタを見つめてくるんですね...これはね、正直たまりませんよ。僕の中の悪い部分や恥ずかしい部分がズルズルと引きずり出されて、世界中の人の目に触れさせられているような気分とでも言いましょうか。この子にはウソはつけないな、と観念させられるような、そんな瞳なんです。イノセンスの塊みたいな生き物を目の前にすると、フシギとこんな気持ちにさせられるような気がしますが、特にうみねこのヒナは...素直すぎるんですよ、この子たち(涙) とびっきりにカワイイし、ちょっとだけブサイクなところがまた良い。体のバランスとか、茶色のブチの模様とか。
きっと蕪島を訪れたアナタは、しばらくはヒナたちの愛くるしさに心を奪われるでしょうけれど、蕪島を後にする時に1つ気づくことがあるはずです。それは、自分の歩幅が極めて短くなっていること。アナタがどれだけヒナたちを可愛く思い、かつ彼らを守ろうと思ったのか? という気持ちが、何センチの物理的な長さになって、あなたの足を止めていたという事実に、気づくはずです。




