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'10 03月11日 (木) 21時09分 : カネイリさんのイベント記念! 書評「FREE」

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八戸の本屋さんではお馴染みのカネイリさんで、明日からイベントがスタートです。その名も『俺と20代のうちに読みたい10冊のビジネス本フェア』、このタイトルを見てピンと来た方もいらっしゃるかもしれませんが、超有名書評サイト「俺と100冊の成功本」の聖幸さんが厳選した10冊を大プッシュするフェアなんですね。聖幸さんは八戸のお近くに在住ということで、このようなイベントが八戸で開催出来てしまうんです。こりゃゼイタクですぜ、是非足を運ばれてみてください!

・・・しかも、3月12日から開始のフェアに合わせて、聖幸さんのトークショーも人数限定・先着順で参加できます! 詳しくは以下のサイトをご参照くださいね。

さて、本日のエントリーですが、このフェアに便乗する形で1冊の本をご紹介しようと思います。フレッシュマンに向けたビジネス本として・・・今話題の「FREE」を取り上げたいと思います。

「FREE」

「ビジネスモデル」っていう言葉って、最近聞いたことありませんか? 意味は「どうやってお金をもうけるか? という仕組み」のことです。例えば、八百屋さんのビジネスモデルはこんな感じです。

  1. 八百屋さんが卸に行って、野菜を仕入れる。
  2. 野菜をお店に並べて、卸値よりもちょっと高い値段をつけて、小売する。

当たり前だろ! っていうツッコミ、ありがとうございます(笑) ただ、こんな当たり前のことも、ビジネスモデルの1つなんです。煎じ詰めると、「商品を仕入れて、一般顧客に売る」というビジネスモデルです。とてもシンプルですね。これでお金がもうかります。

でも、世の中にはそうなっていないサービスがあります。例えば、検索サイトの王手・Google。僕ら一般顧客は、Googleを使うのにお金を一切払いません。なのにGoogleはたくさんのサーバを買って、じゃんじゃん電気を使って、社員をたくさん雇って検索サービスを運営しています。どこからそのお金が出てくるのか? と言いますと・・・

  1. Googleさんが、検索結果の間に広告を挟む技術を作る。
  2. Googleさんは広告主からお金をもらう。
  3. そのお金を使って、Googleは検索サイトを無料で提供する。

・・・という流れになってるんですね。このような仕組は一般的に「広告モデル」と言われます。八百屋さんと比べて最も違うのは、一般顧客からは一切お金をもらわないということで・・・鋭い方なら既にお分かりでしょう、このあたりから本題の「FREE」に繋がってくるんですね。「FREE」という本の最大のポイントは、インターネットの世界で広まっている無料(=FREE)のサービスについての構造を理解することです。本書は大量のページを割いて、インターネット上での無料サービスの構造について一挙に解説してくれています。その中でも特に重要とされるのが、「フリーミアム」というビジネスモデルで、それは以下のようにお金もうけをする仕組みのことを意味します。

  1. 一般顧客の大部分(8〜9割程度)は、サービスを無料で使える。
  2. 一方、高付加価値版(プレミアム版)のサービスが無料サービスと併存していて、それは有料。
  3. 全体のうち一握りのユーザが有料版のサービスを使い、その収益が無料を含めたサービス全体の収益を確保している。

こんな風に無料と有料が共存しているサービスのことを、本書では「フリーミアム」と定義しています。そして本書は、インターネット上のすべてのサービス利用料は遅かれ早かれ限りなくゼロに近づいていくと予言します。それは、通信費・サーバ代といったサービスを提供するために必要な経費がどんどん安くなっていくからであり、したがってインターネット上のサービスは宿命的に価格が下がり続けるからです。大量の顧客に無料のサービスを提供しようが、そもそもサービスを提供するために必要な経費がどんどん下がって無視できるほど小さくなるが故に、このようなビジネスモデルが可能になっている、と本書はその構造を看破します。

インターネットという技術は、その発達と隆盛の末に、サービス自体を無料にしてしまおうとしています。それはこれまでに無かった「フリーミアム」というビジネスモデルによって実現されています。すなわち、この世界に新しいお金のもうけかたが誕生したんです。

本書冒頭では、使い捨てカミソリで有名なジレットがどうやってお金をもうけたかが語られます。デザートのゼリーを売ろうとした人がどうやって一般顧客の理解を得たかが語られます。ビジネスモデルの歴史をたどりつつ、僕たちの心はいかに「無料」という言葉に影響を受けるかという心理学的側面や、インディアンの習わしの中の「贈与」という概念や、中国で横行する海賊版の意味や・・・様々な形でFREEが人々の心を捉え続けている現状を多面的に捉えようとしているんですね。

フレッシュマンの皆さんは、これから社会に出ることで「自分でお金をもうける」ことがほぼ必須の責任として課されます。それはすなわち働くことだったりします。でも、なんで働いたらお金がもらえるんでしょう? そのお給料はどこから来て、どうやってあなたの財布の中に収まったのでしょう? 本書は主にインターネット上で起こっているフリーミアムという現象について詳しく解説していますが、そもそも「お金もうけって、どんな風にするんだろう?」という素朴かつフレッシュマンの皆さんにとって本質的な疑問を考える手がかりも、得られるかもしれません。

無料(=FREE)でもお金をもうける方法だってあるし、そもそもお金をもうける方法なんて、フレッシュマンの皆さんと同じぐらい自由(=FREE)なんです。

Amazon「フリー 〜〈無料〉からお金を生みだす新戦略」へ

「FREE」の書評・追伸

本書は本編320ページの大ボリュームです。そりゃそうです、この本はインターネットにこだわらず「無料」と「ビジネスモデル」の歴史を立体的に解き明かそうとしているのですから、そのテーマの割にはコンパクトにまとまっているとすら言えます。

でも、ご心配なく! この本は320ページを読み終わった後、その内容をたった15ページで要約してくれているんです。もし時間が無かったり、読むのが辛かったりしたら「巻末付録1」〜「巻末付録3」だけでも読んでみてください。フリーミアムとは何か? というエッセンスはしっかり吸収できると思います。

しかしながら・・・個人的には、やっぱり頭から読んでいって欲しいなぁとも思うんです。お金もうけについての無数の挑戦と、成功・失敗の事例の山を追いながら、「僕たちは、いかにしてお金をもうけようと努力してきたか?」という人類の歴史をすっぽり覆ってしまうような壮大なテーマを感じて欲しいなって思うからです。そのテーマが僕らには本当に大事だからこそ、きっと「FREE(=無料)」という本が売れているんだ、と、思うんです。

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