
先日、知人からこんな話を聞きました。都会の人からすると「田舎ってのは、こんなもんかー・・・」なんて寂しく感じられるかもしれませんが、これが田舎のリアルだったりするので、ちょっと読んでみてください。
八戸の中心街活性化のために集まった人たちの会議で、とあるエライ人が「八戸の中心街にはドトールが2軒もある!」と言っていたそうだ。そんな話ばかりで、ちっとも危機感が感じられなかった。これでは、中心街活性化の先は思いやられる。
知人はガッカリしたような様子でこの話をしてくれて、僕も「そうかぁ・・・」みたいな顔で聞いていました。ただ、その話を聞いた時には気付けていなかったんですが、この話は実は二重に残念な話ではないかと最近になって思い直したので、下記に2つの残念な点をまとめてみたいと思います。
エライ人の良いところ・残念なところ
この話を聞いた瞬間の僕は、「そんなところしか自慢するところが無いのか!」という思いを持ちました。しかし、この感想は僕の早合点であり、無知であり、誤りであったと今では考えています。八戸ぐらいの規模の町で、2件のドトールの収益を支えるほどに八戸市民はドトールに足繁く通っているわけで、これは良いことだと思い直したんです。
僕個人の感覚として、八戸はやたらとコーヒーを飲む人が多いです。例えば朝市には必ずコーヒーのお店が立つし、従兄弟の家や友人の家に行った時もお茶よりコーヒーが出てくる場合が多い。何より、コーヒーを飲む女性が都会よりも多いように感じられます。
・・・ドトールが多いことも、八戸とコーヒーとのつながりを紐解くヒントかもしれない。
そう考えると、エライ人が言っていることに価値が感じられるようになったわけです。ただし、ここでドトールについて指摘したエライ人は「だから八戸はコーヒーで差別化できるかもしれない・コーヒーを伸ばせば活性化につながるかもしれない」というところまではたどり着けていなくて、ただ単に「ドトールが2軒あるぜー」としか言っていなかったようで、そこは残念な点だと思われます。ドトールが2軒あるということは、八戸とコーヒーの親和性が高いことの証左であり、町おこしのキッカケがあるかもしれない! というところまで話をまとめていくと、面白い方向に話が進んでいくかも? なんて思います。
知人の良いところ・残念なところ
この話をしてくれた知人は、本当に残念そうに口を動かしていました。八戸の活性化について、真剣である証拠です。その態度を僕はうれしく思ったのですが、少なくとも「中心街の良いところ」について言及したエライ人に対して一定の評価はすべきだろうとも思います。一般的に、年を取ってエラくなるとネガティブな事ばかりブツクサ言うようになって、話を前に進めにくい・・・なんて人が出てきます。過去に成功経験を持つ人や、既得権益を持つ人であれば、なおさらです。
しかしながら、この話に出てくるエライ人は、「ドトールが2軒ある」という他の町に自慢も何もできないような、むしろ都会の人の耳に入ったら恥ずかしくなるような小さな長所を、会議の場で言及しました。このエライ人は、八戸を褒めたんですね。これは素晴らしいことで、是非とも評価すべきだと思うんです。
物事って、けなしたり悪く言ったりするのはカンタンなんですけど、褒めたり良く言ったりするには観察眼や努力が必要だったりしませんか? 僕が田舎に帰って感じる「八戸の人って、なんで八戸を悪く言うんだろう?」という率直な印象は、少なからず「八戸の悪口をカンタンに口にしてしまう人たち」によって形作られているはずです。悪口がうずまいているような町が活性化するはずありませんよね?
このエライ人のように、どんなに小さな事でも、都会の人が聞いたら情けなくなるような話題であっても、良いところは褒めていかなければ芽は出ないのではないか? と思ったりするんです。
コーヒーの名所を標榜する市区町村は、日本に無い
例えばGoogleで「コーヒーの町」「コーヒーと言えば」「コーヒーの名所」「コーヒーで町おこし」なんていうキーワード検索をしてみてください。ちっともピンと来ない結果が返ってきます。日本で「コーヒー」から連想される都道府県・市区町村は存在しないんですね。コーヒーという飲み物は、どこの都道府県・市区町村にも占領されていないキーワードなんですね。強いて言えば鳥取県がコーヒーによる町おこしを標榜していますが、あまり知名度は高くないですよね。まだまだ、コーヒーはどこの町にも属していないわけです。
だからこそ、「コーヒーと言えば八戸」というコンセプトは、価値があります。
八戸は朝市でコーヒーを飲む人が多く、漁港ストアーのような漁師御用達のお店でもコーヒーを出していて、人口の割にはドトールが2軒もあって、コーヒーを好む女性やお年寄りも多く、コーヒーによく似合うジャズが盛んな南郷区を擁しており、南部せんべい+コーヒーという面白いコーヒーの楽しみ方をしています。
上記には僕の主観が数多く含まれていますが、もしこれらの個々の要素の裏が取れれば(例えば統計的に)、案外「コーヒーで町おこし」が現実味を帯びてくるように、僕には思えます。
「旨いコーヒーを飲ませてくれる港町」なんて、良い画だなぁ!
・・・というわけで、中心街のエライ人も、八戸にお住まいの人も、みんなで八戸の面白いところ・良いところを見つけて・褒めて・育てていければいいなって思います。ごく個人的な想いですが、「八戸×コーヒー」には大きな可能性があるんじゃないかと真剣に考えているんですが、どうでしょう?
そんなこんなで、青く静かにゆらめく海と、琥珀色のコーヒー・・・そんな八戸の未来像を考えるこのシリーズ「八戸コーヒー通信」、次回もどうぞお楽しみに!
今日の写真
今日の写真は夏の八戸、気持ちよいぐらいざあざあ降りの中でじっと獲物を待つ釣り人です。この釣り人が、片手にマグカップを持っていて、旨いコーヒーをすすりながら釣りをしている・・・なんて画を想像してみてもらえたら、うれしいです。すごく良い画だなぁ・・・(ポワワン)
なお、この記事では八戸に実在する方の発言を取り上げましたが、発言された方の気分を害される可能性を考慮し、一部を事実と異なる記述にしています。ご了承下さい。
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