
前回の記事で取り上げた民主党の年金政策と、それにともなう所得税の配偶者免除廃止等の税政について、ネット上での反応が大きなものになっています! 下記に主なサイトのリンクを採り上げてみますね。
- 民主党の財源がわかったよー\(^o^)/(2chコピペ保存道場さん)
- 【政治】民主党、4年後に年金改革 収入の15%の保険料を納付してもらう (www.ニュースさん)
- 民主党の「年金改革」は4年後...消費税増税で賄う最低保障年金に加え、全ての人が所得の15%を納付(咳をしてもゆとりさん)
- 【政治】 民主党「子ども手当」、増税ホントは7万円...2000万世帯に影響(咳をしてもゆとりさん)
- 民主党政権で国民年金の支払いは月額5万円か(極東ブログさん)
なんかもう、みんな大混乱といったところです。僕だって最初にこのニュースを見た時には混乱しました。マスコミはなんとなく民主を推してますが、このような家計に直接関わる話をぼやかし続けているのは、もはや詐欺だと言っていいと思います。
さて、今回は前回に続いて民主党の政策を掘り下げてみたいと思います。
高速道路の無料化・ガソリンの暫定税率撤廃
民主党の主な政策の1つに、高速道路の無料化とガソリンの暫定税率撤廃が挙げられます。
- タダで高速道路に乗り放題!
- ガソリンは25円安くなる!
・・・ということで、一見すると素晴らしい政策、恵みの雨のように聞こえます。でも、よくよく考えてみると、高速道路は「使う人が払う」のだから、別に季節の旅行や帰省時しか高速を使わない人には大して意味も無いし、今は毎年2.5兆円もの巨額が得られる利用料の大部分が失われてしまいます。一方、ガソリン税の現在の収入は国と地方合わせて2.6兆円、これもゼロになります。青森県だけで、250億円ものお金が消えてしまいます。
合わせて5兆円程度のお金が、毎年もらえなくなってしまう政策なんですね。では、この5兆円ものお金をどうやって民主党は作り出すつもりなのでしょうか?
高速道路無料化の後、管理費用は税金からまかなわれる
まず、高速道路の無料化。こちらで消えるお金をどうやって補填するのかについて、民主党のマニフェストには何も書かれていません。したがって、ネットを調べてみたところで、これで払います! という明確な答えは見つからないんですね。少なくとも言えるのは「利用者負担」から「税」になるということ。つまり、「使う人だけが払う」から「国民全員が払う」に変えられるということです。
なんかおかしな話ですよね。正直なところ、高速なんてちっとも乗らない実家の父親なんかは、大損です。現時点でも自動車には税金がかかっています。それはそれで使い道がある訳で、高速道路が無料化されたらさらに税金が増える・・・つまり、増税されるということになります。まず基本的な事項として、これを理解しましょう。
高速道路無料化の費用は、自動車に関する税の増税により国民全員から徴収される。
では、どれぐらい増税されるのでしょうか。先ほど「高速道路の収入は毎年2.5兆円」と言いましたが、これだけを払えば良いというものではありません。高速道路を作るためにこれまでに出来た借金が40兆円ありますから、これらも同時に返さなければなりません。さて、お金は入ってこないけど管理と借金返済だけでとんでもない金額になる中、民主党の対策は・・・!?
・・・民主党のマニフェストに記載されている「自動車税」。これは何かというと、民主党によって新設される新しい税金で、非常にシンプルなものです。
日本にあるすべての車に、○○○○○円の税金をかける。
これだけです。高速道路無料化は、この自動車税というものとセットで実行に移されるものなんですね。さてこの自動車税、大体おいくら万円なんでしょうね・・・? 民主党のマニフェストには数字が一切記載されていないのですが、ちょっと面白い発言が6年前に民主党・管さんからなされています。(ソース)
無料化の財源としては「日本には現在約7000万台の車があり、1台に年5万円課税すれば3兆5000億円になる。料金所も廃止できる」ことなどを挙げた。
1台5万円ナリ。日本にあるすべての車に課税するようですから、店頭に並んでいる中古車にも、家で普段は骨を休めている車にも、等しく課税されます。
高速道路に乗っていなくても、毎年5万円払わなくてはならないってことです、ハイ。
この発言は非常に古いものであり、高速道路無料化の財源についてネット上での議論がなされた上で「これで補填するのか・・・な?」と挙げられたものでしかありません。したがって、「1台5万円」という数字はかなり曖昧なものであることは事実です。しかし、数字は合ってるんですよね。現在得られている毎年2.5兆円の高速道路利用料を補填しつつ、毎年1兆円ずつ借金を返すのにちょうどいい金額です。
裏を返せば、民主党の政策である高速道路無料化は、これほどの大増税を行わなければまともに実行できない政策だということです。
当然、こう思う方がいらっしゃるでしょう。「高速道路なんて滅多に乗んねーのに、なんで毎年5万ずつ払わなきゃいけねーんだよ!!」って。ごもっとも・・・ごもっともなんですが、その議論はちょっと待ってください。次はガソリン税について、です。
ガソリンの暫定税率撤廃の財源は、正直分からんのです(汗)
ガソリンの暫定税率撤廃にかかる費用は、2.5兆円ほど。これまでは、街中の道路・踏切・橋・踏切・救急車などの医療体制の拡充などのためにこのお金は使われてきましたが、民主党の政策ではこのお金がゼロになります。したがって、当然のように自民党は反対していますし、地方自治体も猛反対しています。しかし、こちらも当然のことながら、民主党が国民の支持を得られれば、2.5兆円というお金は消えてしまうことになります。
では、このお金をどうやって補填するかについて、「29 目的を失った自動車関連諸税の暫定税率は廃止する」という民主党のマニフェストの項の「具体策」にはこう書いてあります。引用です。
将来的には、ガソリン税、経由引取税は「地球温暖化対策税(仮称)」として一本化、自動車重量税は自動車税と一本化、自動車取得税は消費税との二重課税回避の観点から廃止する。
・・・なんだかよく分からないけれど、普通に読めばこう解釈できます。
ガソリン税は廃止され2.5兆円の財源が必要になるが、将来的には「地球温暖化対策税(仮称)」として徴収することを具体策とする。
うーん、これって、結局減税になってないんじゃないの? と思うのは当然ですよね。ここまで来るともう、詐欺じゃないかと思う。「ガソリンが25円安くなる!」だけを声高に叫んでいる裏で「でも2.5兆円は結局は税金で取るよ」と考えているわけですから。しかも、税の名前が「地球温暖化対策税(仮称)」となっていて、現状で街中の道路やら橋やらを整備するためのお金は結局どこから出てくるのか、マニフェストを読んでもちっとも分からない。これって、問題じゃないかなあと思うんですが・・・マスコミの方には問題は無いように見えているようです。エライ人の考えていることはよく分からないものです。
えー、さて。もしかしたら、こう思われる方もいらっしゃるかもしれません。「それでも、ガソリンが25円安くなるのは確かなんでしょ?」と。・・・暫定税率撤廃という部分だけを見ていれば、たしかにそう思えます。しかし、本当にそうでしょうか? もし「地球温暖化対策税(仮称)」が直接ガソリンにかからないものになったとしても、まったく別の政策がガソリンの価格を倍にしてしまうかもしれないという試算があるんです。
民主党のCO2削減政策は、国民の負担を36万円増やす
民主党のマニフェストによると、地球温暖化対策として以下が明記されています。
20年に90年比で25%(05年比で30%)を削減するという厳しい目標を打ち出した。
現政府・自民党の案では「2020(平成32)年に05年比15%」となっていますから、民主党は「自民党の倍、CO2を減らすぞ!」と息巻いているわけです。しかし、どれだけのお金がかかるのでしょうか? こちらの記事の試算によると、以下のような金額がかかります。
- 自民党案 : 20年までに15%削減 : 10年で62兆円
- 民主党案 : 20年までに30%削減 : 10年で190兆円(!!)
すごい金額が出ました。民主党の案を実現するには、10年間で190兆ものお金が必要になるというのです。実に自民党案の3倍以上です。こんなお金をどこから捻出するというのでしょう? すべての車に1台5万円もの税金をかけるという激しい増税案でも、年間3.5兆円しかまかなえないというのに!
しかも、これだけのCO2を削減するには、企業の努力が不可欠です。その結果として、効率の良い冷暖房設備を導入したりして生産コストが増します。モノを作るための元手が今よりかかるので、会社経営が厳しくなるんですね。つまり、不景気です。不景気になると、こんなことが起こります。
- 国内総生産(GDP)が減る。
- 失業率が増える。
- 可処分所得が減る。
- 光熱費が増える。
CO2を削減するというのは、こんなに大変な事なんだなぁ・・・とため息をつきたくなりますが、さて、15%という自民党案と30%という民主党案、それぞれどれぐらいの影響が出るのでしょうか!? 試算結果を以下にまとめます。
- 自民党案 : GDP0.6%減 : 失業率0.3%増 : 可処分所得4万円減 : 光熱費3万円増
- 民主党案 : GDP3.2%減 : 失業率1.3%増 : 可処分所得22万円減 : 光熱費14万円増
民主党の案を実現すると、年間でお給料が22万円減って、光熱費が14万円増えますから、合計で36万円の負担増になるんですね。会社のコストが上がるから、仕方がない事・・・と民主党の人は言うんでしょうかね? それから、失業率も1.3%増と自民党案の4倍超。CO2をたくさん出す製造業の一部では、「CO2が出るから、作るの止めなさい」と政府が支持することすらあり得るんです。「仕事が無い、週に4日は休みだ」なんて話は不況の昨今においてよく聞かれますが(僕の田舎でも身近にあります)、この傾向が自民党の案よりも4倍強まるということになるんです。これでどこが景気がよくなると言うのよっ!?!?
そして、トドメ。これだけお金をかけたところで、まだまだ目標の30%削減には手が届かないんです。残るは、自動車の交通量を減らすしか無いんです。減らさなきゃいけない交通量は、なんと23%! 結果として、こういう事になります。(ソース)
また、自動車交通量も23%削減する必要があり、これを達成するには週2日規模で「ノーカーデー」を設けることなども求められる見込みだという。
週に2日は、車に乗れなくなるかもしれません。そんなバカな! と思われるかもしれませんが、民主党の主張する30%という数字は、これほどにバカげた数字だということは分かっていただけたんじゃないでしょうか?
あ、忘れてましたけど、ガソリン税。暫定税率を撤廃すると25円安くなりますが、CO2削減のための費用をガソリンでまかなおうとすると、どうなるか。これも試算が出ています。
CO2の排出削減が多くなればなるほど、高度な技術や設備を導入しなければならず、削減費用は高くなる。その費用をガソリン価格に上乗せした場合、政府目標では1リットルあたり30円の値上げにとどまるが、民主党の目標の実現には同170円の値上げが必要になり、現在のガソリン価格は2倍以上に跳ね上がる。
残念ながら、ガソリンは値下がりするどころか、倍になる可能性すらある、と言うのです。産経新聞は民主党のCO2対策について強い反対の主張をしているみたいですが・・・さあて、知ってる国民は何人いるでしょうか?
ここまでのまとめ
長くなりましたので、ちょっとまとめてみましょうね。民主党の政策が実行されると・・・
- 高速道路が無料化される代わりに、車1台につき5万円程度の自動車税が導入されるか、それほどの規模の増税が為され、「利用者が払う」形から「高速道路に乗っていなくても、とにかく国民全員が払う」形になります。
- ガソリン税の暫定税率が撤廃され、1リットル25円安くなりますが、その代わり「地球温暖化対策税(仮称)」が新設され、失業率は+1.3%、負担は年間で約36万円増となります。また、ガソリン自体も政府案では30円増ですが、民主党案では170円増・ほぼ倍となる試算があります。
さらにまとめましょうか?
- 高速道路は無料化されるが、結局は税金で払う。
- ガソリン税は暫定税率が撤廃されるが、結局はCO2対策で景気は悪くなるし、可処分所得は減る。
ついでにもう一丁、まとめますよ!
- 高速道路が無料化されようが、ガソリン税の暫定税率が撤廃されようが、結局は国民がツケを払う。
これが民主党案のリアルです。減税だけじゃなく、増税もあるんです。誰かが得した分は、国民が払うんです。民主党はこういった批判に対して「個々の事案の数字は前提条件に依る」「景気が回復すればなんとかなる」という回答を繰り返しながら、今日まで来ています。その回答がいかに無責任なものであるか、そしてマスコミがいかにいい加減な報道しかしていないのか。
選挙に際し、参考にしていただければ幸甚です。
結局、得をするのは誰?
八戸は車が無いと生活しにくい車社会の町であり、僕の実家の家族はよく車に乗りますが、高速道路には乗りません。不景気を受けて、仕事もありません。そして、青森県という本州の北の端、とても寒いところです。これらの特徴のどれひとつを取っても、民主党の政策は有利にはたらかないのです。個人的には、民主党のCO2対策によって一般市民の光熱費が大きくなるというのは、どうしても容認できないんです。日本国民平均で年間14万円の光熱費増だといいますから、北国八戸ではいくら増えてしまうというのでしょう!
・・・どうしてこうも、僕の故郷に厳しい政策なのだろう? と頭を抱えてしまってしまいました、正直。現状の世論では民主党が圧勝しそうなイキオイですが、もし民主党が政権交代を成し遂げてこれらの政策を実行に移すと、僕の故郷・青森県八戸市はとんでもないことになってしまうかもしれないと思います。それは、とてもとても辛いことです。
しかし、おかしな話です。これだけの大きな変化を起こす政策なのですから、八戸のように「ちっともプラスにならない」場所もあれば、ものすごくプラスになる場所や人があって良いのです。一体誰が、得をするんだろう?
正直、「高速道路の無料化」と「ガソリン税の暫定税率撤廃」と「CO2対策」を同時にやると、国内経済が冷え切ってしまって誰も得をしないように思うんです。これまでのお話を読んでいただければ、十分におわかりいただける話かと思います。じゃあ、これらの政策の中から「CO2対策」を外して考えてみましょう。そもそもこの政策・・・自民党案の倍のCO2を削減するのに190兆円も使う政策は、ちっとも、これっぽっちも実現性が無いので、無いものとして考えてみます。それから、前回の記事で触れた「租税特別措置」から、2つほど気になる項目を抜き出して、どんな政策があるかを以下に並べてみますね。
- 高速道路の無料化 : 高速道路を使う業種にプラス
- 自動車税 : 車を買うすべての人にマイナス
- ガソリン税の暫定税率撤廃 : ガソリンが安くなって、よく車に乗る業種の会社にプラス
- ナフサへの補助を継続 : ナフサから作られるゴム・プラスチック製品(例えばタイヤ)を作る業種にとってプラス
- エコカー減税廃止 : エコカーを作っている自動車業界にマイナス
おわかりですね、自動車に関する政策群です。これらから、何が見えてくるかというと、こういうことではないかと思います。
- 普段の生活で自動車を使う一般市民は、ガソリンは安くなるけど自動車税が加わるし、車を買うのも大変になるから、全体としてはプラマイゼロかちょっとマイナスぐらいか?
- でも、一般市民よりも大量にガソリンを使って、かつ高速道路をよく使う流通・小売業にとっては大きなプラスになりそうだ。
- それから、税制上の補助が生き残りつつ、しかも交通量が増すとしたら、タイヤを作る会社には大きなプラスになりそうだ。
つまり「流通・小売業」と「タイヤ製造業」にとっては、確実に大きなプラスになりそうなんですね。
うーん・・・
- 民主党党首の鳩山さんは、タイヤ製造業の最大手・ブリヂストン社の株を350万株程度を保有されている大株主で、創業者のお孫さんですね。
- 民主党幹事長の岡田さんは、流通・小売業の再大手・イオン(ジャスコ)の名誉会長相談役・岡田卓也さんのご次男ですね。
うーん・・・
まあ、偶然でしょうけどね(ニッコリ)、さすがに・・・ねぇー!(満面の笑み)
民主党の政策がいかに社会の根幹を変えるものか
さて、これで今日のお話はおしまいです。長い記事でした、お読みいただいた皆様、本当にありがとうございました。
最後に1つだけおたずねしたいんですけども・・・今日の記事の中身、すぐに信じることができましたか? 民主党の政策は表面上聞こえは良いけれど、裏には「財源が定義されていない」「大増税」「途方もない巨額が必要であること」が隠れています。マスコミが報じないこともあり、初めて知った方もいらっしゃるかと思うのですが、それはさておき・・・
そもそも民主党はこれほどまでに日本の社会の構造を変えようとしている事を、知ってましたか?
あまりにも大きな変化を日本に引き起こそうとしている政策群を掲げているのが、民主党なんですね。そしてその大きな変化は間違いなく痛みを伴うはずです。とんでもなく過激なんですね。過激なこと自体は悪くないのですが、かといって「なんとなく政権交代」では済まされない政策が掲げられています。それこそ何十年、百年と影響が出るかもしれない大きな社会の変革を為そうとしている割には、マスコミは「なんとなく」ばかりで、個々の政策の微に入り細に入り検討する様子はありません。
普通、選挙で過激な事を言っている政党に対しては、何かしら「過激っぽい雰囲気」がそこはかとなく立ちこめていて、議席も取れなかったりするものなんですけども、どうやら今回は違うようです。マスコミの偏向した報道姿勢とあいまって、民主党の政策が持つ過激さが気持ちよいぐらいキレイサッパリ隠蔽された状態のまま、投票日直前まで来てしまっています。
この記事は読者の皆様に対して、特定の政治家や政党への投票を期待するものではありません。上記の議論では民主党の政策について批判的な側面から議論を進めていますが、これらをひっくるめて民主党を支持される方に対してさらなる議論をしようとは一切考えていません。皆さんご自身の意思で投票に望んでほしいと心から思います。
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