
せっかくのゴールデンウィークに暗い話で申し訳ないんですが・・・僕の人生の頭上にはじめて不吉めいた風が吹いたのは、小学校に入学した直後のことです。
学校から配布された「さんすうセット」には、おもちゃの時計や(時計を読めるようになるための教材)、大きな数字の模型やサイコロに混じって、プラスチックで出来た色とりどりの「おはじき」が入っていました。赤や黄色の鮮やかな色のプラスチックは中心に磁石が嵌め込まれていて、おはじき自体がつながるようになっています。赤いおはじきを10個でひとかたまりにして、それを黄色のおはじきと交換・・・といった具合に、多くの数の数え方・桁上がりの概念・小銭の授受のような生活に密着する数学的概念を学ぶためのものなんですね。
で、さんすうセットを持って家に帰り母親にひとしきり自慢し、さらには「すべての道具に僕の名前を付けなければならない」と先生から指示された事を告げると、僕は早速その「道具に僕の名前を付ける作業」に入りました。
さんすうセットには3ミリ×1センチぐらいに格子目に区切られたシールのシートが同封されていて、名前を記入したシールをすべての道具に貼らなければならないのでした。
で、僕がした作業がこちら。
- まず、おはじきを含むすべての道具にシールを貼る。
- 次に、シールが貼られた道具の1つ1つに名前を書く。
これがエライ重労働で、ヒーコラヒーコラ言いながらやっとの事で名前が書き終わろうとする刹那、家事から手を離した母親が僕の様子を見ながら一言。
「先にシールに名前を書いてから貼ればいいのに。」
そう、僕は名前の書かれていない無地のシールを無数の小さなおはじきに貼り付けた後で、おはじきを1つ1つ手に持って名前を書いていたんですね。子供の不器用な手に小さなおはじきは持ちにくく、名前も上手く書けない失敗作を既に大量に生み出していた僕は、あまりの自分の馬鹿さと「先に教えてよ!」という理不尽な怒りに、子供がよく陥るような混乱した涙をこぼしたのでした。
あの日以来、僕はどうにも「自分には肝心な知恵が欠けている」と思うようになりました。あ、それから、雑巾の絞り方も僕にトラウマを与えてくれたなー。
バカな僕の、雑巾の絞り方。
- 順手で鉄棒を持つように、両手の甲を上にして水平に雑巾を持つ。
- そこから両腕をねじりながら、雑巾を絞る。
- 腕がねじれた状態で雑巾に力をかけなければいけないから、絞りにくい。
後から知った、賢い絞り方(あらためて書くまでも無いだろうけれど)。
- 雑巾を胸の前で縦にして持つ。
- そこから両腕を伸ばしながら、雑巾を絞る。
- 腕が伸びている状態なので、雑巾に力をかけやすく、絞りやすい。
人からヒドイ事を言われたとか、怒られたとか、恋愛で絶望したとか・・・そんなトラウマは比較的少ない人生を歩んでいると自負していますが、上記のような「僕がいかにバカかを知って愕然としたトラウマ」には事欠かないワタクシでございます。
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